浦和の次期監督人事が難航している。前日本代表監督の岡田武史氏(55)招聘(しょうへい)を目指したが、先週中に岡田氏から、中国クラブとの交渉優先の返事を受けた。直後、候補の1人だったG大阪監督の西野朗氏(56)に連絡を入れたが、現段階で前向きな答えは得ていない。

 監督選びは第1歩から迷走した。ペトロビッチ前監督を10月20日に解雇し、同時に残り5試合の指揮を岡田氏に要請したが、即座に断られた。すぐさま、日本協会の原博実強化担当技術委員長に打診も、原委員長は2014年ブラジルW杯アジア最終予選など公式戦を控え、交渉すらできず。その後、西野氏の側近に打診したが、逆転優勝を目指すリーグ戦佳境にあり、断念した。

 その後、岡田氏招聘に全力を注ぎ、先月21日にはクラブ幹部が岡田氏と会い正式オファー。編成面での条件など本格交渉に入ったが、浦和は岡田氏の要求に応えられなかった。

 このまま西野氏と正式交渉に発展せず、また、岡田氏が中国クラブとの交渉が不調に終わり、それでも再アタックができないとなると、監督選びはさらに混迷を深める。

 他クラブでは既に着手されている補強についても、出遅れ。センターFWやボランチなど選手層の薄いポジションの一刻も早い補強が求められる。橋本社長は4日、埼玉県内で来季監督人事への質問に苦笑いし、首を横に振ったまま。低迷を続けるクラブの未来を救うのは、誰になるのか。見通しは立たない。